AIから良い回答を得るためのプロンプトとは?
「ChatGPTを使ってみたけれど、思っていた回答が返ってこなかった。」
そんな経験はありませんか。
ある企業では、社内で生成AIの活用を始めたものの、
「回答が曖昧で使えない」
「思っていた内容と違う」
「結局、自分で調べた方が早い」
という声が上がっていました。
しかし、実際に使い方を見てみると、AIへ送っていた指示はとても短いものでした。
「企画書を作って」
「SNS投稿を書いて」
「DXについて教えて」
これでは、人に仕事をお願いするときでも少し困ってしまいます。
実は、生成AIの回答品質を大きく左右するのが、「プロンプト」と呼ばれる指示文です。
プロンプトって何?
プロンプトとは、AIへ送る指示や質問のことを指します。
難しく聞こえるかもしれませんが、特別なプログラミングの知識は必要ありません。
簡単に言えば、「AIへのお願いの仕方」です。
例えば、
「旅行プランを考えてください」
という依頼だけでは、人によってイメージする内容は異なります。
一方で、
「40代夫婦が1泊2日で滋賀県を旅行します。温泉と地元グルメを楽しめるプランを提案してください。」
と伝えると、より具体的な提案ができます。
これはAIも同じです。
AIは「空気を読む」のが苦手
人同士の会話では、相手の表情や過去の経験から、言葉になっていない意図を汲み取っています。
しかしAIは、人間のように空気を読むことが得意ではありません。
例えば、「文章を書いてください」と言われても、
誰に向けた文章なのか
どのくらいの長さなのか
丁寧な文章なのか
専門的な内容なのか
までは分かりません。
AIが悪い回答をしているのではなく、必要な情報が不足している場合が多く見受けられます。
良い回答を得るための4つの要素
プロンプトは、次の4つの要素を意識すると整理しやすくなります。
① 指示を伝える(Instruction)
基本の指示として、「何をしてほしいか」を伝えることが必要です。
例えば、
「次の文章を分かりやすく説明してほしい」
など、AIが勘違いしないように適切に指示を出すことが大切です。
②背景や前提を伝える(Context)
「役割や状況、目的」などを伝えます。
例えば、
「あなたは企業の広報担当者です」
「滋賀県の中小企業向けにSNS投稿を行いたい」
というように、どのような状況や条件なのか伝えることで、生成される内容が変わります。
③ 素材を伝える(Input Data)
処理してほしい「元データや具体例」などを伝えます。
ここでは説明対象となる文章やデータ、参考のとなる具体例などをAIに読み込ませます。
料理で例えると、使える食材や調味料を並べることに近いですね。
④ 出力形式を指定する(Output Data)
「出力形式や制約、その評価軸」などを伝えます。
例えば、
表データとして出力
箇条書きで100文字程度
読みやすく、やさしい言葉で説明
などを伝えると、より使いやすい要件に合った回答が得られます。
もっとも、一度で完璧なプロンプトは作成できません。
「出力を確認し、再度プロンプトを書きなおす。もう一度生成する。」といった作業が重要となってきます。
実は、AIとの会話は「人への依頼」とよく似ている
少し意外に感じるかもしれませんが、
良いプロンプトを考えることは、実は人への依頼とよく似ています。
例えば、部下や外部パートナーへ仕事を依頼するときも、
何のために
誰に向けて
どのような形で
を伝えることで、認識のズレが少なくなります。
これは、生成AIも同じです。
むしろ、生成AIは人間以上に「言葉にすること」が求められる存在なのかもしれません。
プロンプトを考えることは、業務を整理することでもある
生成AIを活用している企業を見ると、
「自社の業務が整理されている会社ほど、AIを上手に活用している」
という傾向があります。
なぜなら、「何が課題なのか」「何を求めているのか」「どのような評価軸なのか」
といった点が明確だからです。
逆に、業務が曖昧なままでは、AIにも適切な指示を出すことが難しくなります。
つまり、プロンプトを考えることは、単なるAIのテクニックではなく、自社の業務や考えを言語化する練習でもあるのです。
【まとめ】
生成AIから良い回答を得るためには、特別な技術が必要なわけではありません。
大切なのは、人に伝える場合と同様に、丁寧な伝え方です。
AIを使いこなすというと難しく感じますが、実際には「どう伝えるか」を少し工夫するだけで、回答の質は大きく変わります。
そして、その過程は、人とのコミュニケーションや業務整理にもつながっています。
AIに良い質問ができるようになることは、自社の課題や目的を明確にすることでもあります。
生成AI時代だからこそ、「言葉にする力」がこれまで以上に重要になっていくのかもしれません。
記事一覧に戻る
